今日は大晦日。早朝、アフリカを後にした我々のフェリーは再びタリファに着く。ここのパスポートコントロールで息子が止められしばらく待たさせた。よく分からないが、どうも日本人だが出国印が無いというのだ。息子はイギリスに留学中であることを説明し、ようやく解放された。さすがプロ、見ていないようでしっかり見ているのだと感心する。
タリファからはアルヘシラス港までのシャトルバスは付いている。アルヘシラスのバスターミナルまで急いでタクイシーで行くが、いいバスが無く、列車でグラナダに移動することにする。
車窓からアンダルシア地方のしばらしい風景を堪能しながら、約４時間でグラナダ着。
＜アンダルシア地方のとある駅＞
駅に着くと同時にタクシーでアルハンブラ宮殿に急ぐ。なにせ４時４０分到着で５時までに行かないと入れない。
なんとか、５時に間に合い宮殿の中に入る。チケットはあらかじめネットで購入してある。しかし残念ながら一番メインのナスル朝宮殿には、時間が間に合わず入れなかった。
カルロス二世宮殿を見た後、アルカサバ城壁に登り、グラナダの町を一望する。アルバイシン地区の小さな白い家がたくさん並んでおり、すばらしい眺めである。
＜アルハンブラ城から見たグラナダのアルバイシンの町並＞
遠くに見える山には雪がかぶっている。スペインで２番目に高い４０００ｍ級の山が、ここグラナダ周辺にあるらしいがその山だろうか。ちなみに一番は島にあるそうだから実質は１番か。
スペインの山というとピレネー山脈を思い浮かべるが高さではそれほどでは無いらしい。いつか機会があれば登ってみたいものだと思う。
＜アルカサバ城壁全景：後方右手に雪山＞
６時になり宮殿は閉まる。バスに乗り下の町のカテドラルに急ぐ。なんとか間に合い中に入る。このカテドラルには王宮礼拝堂がありイサベル女王の墓がある。広く豪華な内部は黄金の装飾が見事である。
＜カテドラル＞
タクシーに乗りホテルまで行く。最終日のここのホテルは予約してあったのだ。
夜、食事に出るが、なかなかレストランが開いてない。大晦日なのでしかたないか。アルハンブラ宮殿の下付近にあった、居酒屋に入る。たくさんの客で混雑している。日本人親子４人がいて声をかける。家族でこんなところで新年を迎えるとは、うらやましい。
ビールもしこたま飲み、せっかくだから夜のアルハンブラ宮殿を見に行くことにして、坂を登る。中には入れなかったが、照明に照らされた城壁は趣がある。
下に降り、もう一件くらいはということで店を探すが、無い。あきらめてホテルに戻り寝る。途中、花火の音で目がさめる。大晦日のカウントダウンか。
＜夜のアルハンブル宮殿＞
明くる日、６時ごろ目がさめ、ゆっくり風呂に入る。今日はマラガまで行き、１２時の飛行機に乗りイギリスに帰る日である。
時間を確認すると「エッ！」飛行機の出発時間を２時間勘違いしていたのだ。改めて確認すると１０時３０分発である。
「しまった！、でもまだ間に合うかも」ということで、慌ててチェックアウトし、タクシーでバスターミナルに行こうと、電話で呼んでもらうがつながらないらしい。
それもそのはず今日は元旦。こんな日に仕事をする人は少ないのは当然である。しかも、バスターミナルは郊外で、地図に無く自力で行けないのだ。
通りでタクシーを拾うことにする。なかなかつかまらない。時間が刻々と過ぎる。万事休す！、もうバスでは間に合わない。１時間後、やっと捕まえたタクシーに空港まで行ってくれと頼むが断られる。
その後もタクシーは捕まらず、しかたなく歩いて駅まで行くことにする。もう間に合わない。あきらめる。予約した料金は帰ってこないばかりか今日中ににマンチェスターまで帰れるのか。
間に合わなかったら息子に申し訳ない。つくずく、自分のバカさにあきれる。なんで前に日に時間を確認しなかったのだ。タクシーも予約しておく必要があった。調子よく来ていただけに油断があったのだ。
＜大晦日のグラナダの町＞
もう開き直るしかない。人に聞きながら、たっぷり１時間は歩いて鉄道駅までなんとかたどりつき、タクシーでバスターミナルに行き、バスで移動。
空港についたのは１２時すぎであった。
さあ、飛行機はあるか。電光掲示板を探すと１４時にマンチェスター行きがある。しかし、どの会社のものか分からない。２〜３のブースを回り、インフォーメーショオンで聞き、ようやく航空券を買う。
運良く空席もあってよかった。ちなみに航空会社はＢＭＩというイギリスの格安航空会社であった。これで今日中にマンチェスターに帰れる。気が付くと今日は朝からほとんど食事をしてないことに気が付き、パンとコーラを買い、息子と一息つく。
余分なお金はかかったが、なんとかすることはできた。貴重な授業料になった。様々な思いが、頭を横切る。
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