≪●●●旅行準備●●●≫
まずは旅行の準備に関することを書こう。旅行を決め，航空チケットをネットで探す。２１万５千円のチケットが燃料サーチャージ等が着いて２７万円近くになるのには閉口したがしかたない。
次にネットでインカ道トレッキングのツアーを探す。しかしインカ道に入れる人は１日５００人と制限されて，シーズン中の予約は半年前くらいでないとすぐにうまってしまうという。なるほど，どのサイトも８月は一杯である。あきらめかけていた時，[HostelsClub]という宿の予約を扱うサイトでトレッキングツアーも扱っているのを見つけた。どうせ一杯だろうと半信半疑でやってみると，インカ道トレッキングツアーが３３０ドルで予約できた。
ただしクレジットカードで予約金の１割の３０ドルをカードで前払いで払うという危険なものだったが，HostelsClubは信頼できるサイトみたいなので，大丈夫だろうと思った。
また，その日程に合わせてリマ→クスコの飛行機のチケットをペルーの航空会社LANPERUのサイトから予約する。これも苦労の連続で７５ドルの安い切符（変更不可）がなかなか予約できす，結局１３０ドルのフレキシブル（変更可能）の高い切符を買う。（このフレキシブルを購入してことが後から考えると良かったのだが・・・。）航空券は現地でも購入できそうだったが，シーズン中であり，もしものことを考えた。
＜パソコン（乱雑でお恥ずかしい）：画面はAxelのWeb＞
しかしこれが苦労の始まりで，予約してもトレッキングを扱う会社からはなんの連絡も無い。あせって問い合わせのメールを出すが返事がないどころか，宛先不明で帰ってくる。やられたと思いHostelsClubにメールで問い合わせる。
ちなみに，これらは当然英語であるので辞書というか翻訳サイトを利用しながらの作業である。
HostelsClubからは返事があり，調査してみるとのことで一安心。数日後にAxel Tippeという会社からメールがあり，インカ道は一杯なので別のサルカンタイトレッキングを勧めてきた。「やはりか，でもしかたない」ということで日程も２日ずれる。そのことをaxelに相談すると，なんとリマ→クスコの飛行機の日を変更してくれた。ネットで確かめると確かに変更になっている。
それで，これは本当の旅行会社であることが分かり，ついでにナスカやチチカカ湖観光もいしょに頼もうという気になり，手配を依頼する。ナスカ（１泊２日）２１０ドル，インカエキスプレスとチチカカ湖観光（２泊３日）１６０ドル，サルカンタイトレッキングとマチュピチュ観光（４泊５日）３３０ドルと合わせて７００ドルである。日本の会社にたのむよりずっと安い。支払い方法だが，ネットで払えと入金サイトを指定してくる。さすがにこれは危険だと思い，着いてからキャシュで払いたいと持ちかける。ついでに初日のリマ空港→ホテルの送迎も１５ドルでたのむ。したがってaxelという会社がニセモノだったりすると今回の旅行は大きな影響を受けてしまうことになる。まあ，お金払って無いのでなんとかなるさ。
＜荷物のザック：右は帰りに買ったおみやげ用のカバン＞
また，こんどの旅行は４泊５日のトレッキングがメインであるので，その準備が必要不可欠である。登山靴で行くのも重いから，トレッキング用の軽登山靴をネットで買う。また１本持っているスティックも持ち運びを考え短いものをもう１本買う。それらの慣らしを兼ねてトレーニングに近郊の山に２〜３日出かける。なにせ４０００ｍ級の高山を５日も歩かなければならない。このトレッキングを無事終えることが今回の旅行の一番の課題である。また，南米は冬であり，しかも高地はかなり寒くなることが予想でき，着て行くもの，持っていく防寒用の服にも気をつかう。あれやこれやで小さめのザックが一杯になった。
≪●●●出発●●●≫
考えられる準備を全て終え，出発前の日夜行バスで東京に出て，息子と会う。東京まで夜行バスで１２時間，成田から乗り継ぎ地のヒューストンまで同じ１２時間である。車中と機中泊を２日連続しなければならないという強行軍である。
＜リマのホス・チャベル空港＞
成田空港を１５時２０分に出発したコンチネンタル航空の飛行機は，太平洋を越え，アメリカを北から南に縦断し，１２時間で南部の都市ヒューストンに着く。１４時間の時差があるので，３日の１３時に逆戻りである。ここで乗り換えるのだが，なんと一度アメリカに入国しなければならないらしい。トランジットなので面倒な入国手続きは免除してほしいのだが，そうはいかないらしい。長い列に並んで写真や指紋をとられたり乗り換えの３時間をほとんど使い，さらに出発が１時間遅れるという。ゆっくりするヒマなんて無かった。
ヒューストンから６時間半の飛行でやっとリマに着く。時刻は予定より１時間遅れの２２時半。ヒューストンとの時差は無いが，正味日本から２４時間くらいかかっているだろう。到着した空港で，まずは両替。５万円ほどペルーの通貨に換える。迎えてくれるはずのAxelTippeを探す。大勢の出迎えの中に「ＴＡＢＵＣＨＩ」と書いた白い紙を見つけて一安心。
＜始めて会ったAxelTippe＞
車は普通の古い自動車，運転手もいる。英語で１時間遅れたことなど雑談をする。メールで何回もやりとりした相手なのだが，きさくな人らしく親近感を持つ。しかし，まだ油断はできない。このままどこか知らない所に連れていかれ，身ぐるみはがされて・・・なんてことがチラッと頭をよぎる。
タクシーは３０分ほどで深夜の町を旧市街地に入る。リマの旧市街は危険との情報を得ている。なるほど人気は少なく，危険な雰囲気が漂う。少し迷い，ようやく見つけたネットで予約した安ホテルは，小さなホテルでドアは厳重に閉まっている。Axelがドアをたたいてあけてもらう。少年が眠そうな顔で応対する。予約のドキュメントを見せ，１０ドル払う。その後，そばの机を借りて薄暗い中でAxelと支払い交渉。トレッキングを３８０ドルと言ってきたので驚いてネットで提示されていたのは３３０ドルだといいはる。やはりふっかけてきたかと気を引き締める。
ツアー内容を用心深く確認し，計７００ドル払い，書類をもらいやっと一安心。明日の朝の迎えのタクシーも込みということになっていたのに，別れ際タクシー代を請求するので抗議すると払うという。やっとAxelが帰る。
 
＜リマの安ホテル＞
部屋は中２階の質素な部屋。１泊１０ドルと安いが，わずか数時間しかいないからこれでよい。寒いので毛布を２枚重ねてすぐに横になる。思えば様々なことがあった１日である。時計を見ると深夜２時を回っている。なんとか無事に旅行がスタートできたことに感謝しつつ寝ようとするがなかなか寝付けなかった。
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