≪●●●黄山（１日目）●●●≫
今日からいよいよ、黄山登山である。午前中に移動をすませ，午後から登り山中で一泊。当初のだいたいの予定である。
バスは杭州市街を抜け，高速道路に上がる。そのあたりから雪がちらちらし始める。これはマズいぞ。冬なので覚悟していたことだが，はやり動揺する。
黄山市に近づくほど雪はひどくなり，あたりは雪景色。３時間で黄山市斗渓区着。ここでバスを乗り換えさらに１時間半かかり，１時ごろ黄山ふもとの湯口に着く。
＜黄山の地図：下の登山口の湯口から時計回りに回る＞
ここまでは予定通り。すぐに、ロープウエイの乗り場まで行こうと歩き始めるが，こっちだろうと，歩いているおばさんに方向を確かめるがそうだという。しかし行けども行けどもありそうにない。やがて民家がなくなり引き返す。
＜登山口の湯口＞
どうもはじめから曲がり角を間違えていたようだ。少し動揺するが，昼を食べてないことに気が付き，腹が減っては戦ができぬ，町中の食堂で腹ごしらえする。食堂のおばさんに道を確認し，ビールを飲む。関係ないか？
 
＜昼食と黄山大門＞
やっと黄山大門に着く。ところが，ここから歩いても歩いても着きそうにない。途中，道を聞いたが，「エッ，歩くの？」そんな反応である。道には雪が積もり，時間もかかりそう。途中，タクシー乗り場があったのでタクシーをたのむ。ついでに「簡易アイゼン」を勧めにきたので買う。２０元，思ったより安い。これはWebに載っていた想定内の出来事。冬の黄山の必需品である。
タクシーで１０分くらいでやっと着いた慈光閣。歩けば１時間くらかかっただろう。雪はさらに降り続ける。こんな状況で登っても・・・と迷うが，なあ，なんとかなるさ・・１５０元で乗車券を買う。さらに６５元で入山料がいる。
＜慈光閣＞
ロープウエイは６人乗りのゴンドラに一人で乗る。あたりは雪景色。窓も凍って手でこすって曇りを取る。しかし窓から見える風景はすばらしかった。黄山の峰々。雪をかぶった松。巨大な岩肌。
＜ロープウエイ＞
１０分足らずで上の駅に着く。時計を見ると３時。さあここから今夜の宿まで歩かなきゃならない。当然タクシーなど無い。係員に，もよりの宿泊所を確認。やはり２時間ほどかかり天海までいかなければ無いらしく，５時くらいになる。少し不安になる。
まずはそばのい来客松を見ようと歩き始める。黄山の道は良く整備されている。基本的に石段か石の道。その上から今日は雪が積もって，凍っているので注意して歩く。２０分ほど歩くと迎客松に着く。不思議なことに，このあたりから今まで降ってきた雪がやみ，日光も時々さしてくる。しかも雲海がたちこめている。下は雪でも山上は晴れている，というよくあるパターンににっこり。
＜迎客松＞
来客松周辺は大勢の観光客が記念撮影している。大半はここまでで下りのロープウエイで帰るのだろう。
＜登山道＞
雲海，奇松，奇峰・・・まさに黄山の絶景にしばし見とれる。しかし時間が無い。送客松に見送られ，本格的な山歩きに入る。黄山のすばらしい雪景色の中，スリップに注意し一歩一歩登る。所々，名所がり，看板が立ている。漢字だから意味が分かり面白い。
＜手机岩：携帯電話岩＞
「手机」と書くと中国では携帯電話。なるほどアンテナが岩の上から出ている。うまく考えたものだと感心する。
そのうちに黄山最高峰，蓮花峰の登り口に着く。しかしもうこの時間では登る暇はない。明日もう一度来よう。しかしだれも登る人がいない。しばらく様子をうかがっていると，登山道の門が閉まっている。もしかして雪が降っているから登頂禁止かも。案の定行こうとした登山客が止められた。残念，最高峰に登れないのか・・・
＜急な階段：凍り付いて怖かった＞
ここから少し下るのだが，手すりもない目もくらむような階段がある。ヒヤヒヤしながら下ると今度は登りが待っている。亀の洞窟を越えると蓮花峰を見上げる場所に着く。
＜亀魚洞＞
写真を撮ってもらう。しかし風が強く，ほおが凍り付く。まさに冬山。反対側には今晩泊まる光明頂が見えてほっとする。
＜光明頂と天海ホテル＞
そこから２０分ほどで宿泊地，天海につく。大きなホテルがあるが高そうなのでやめてもう２０分ほど階段を歩き光明頂まで登り，そこにあった「光明頂山荘」に入る。まあまあのホテルみたいで料金が心配だったが，高い部屋は１０００元超えているが，一番安い部屋が８０元であった。ドミトリーみたいだがこれで充分と決める。
＜光明頂と山荘（右）＞
ホテルの中に入ると，一安心。ほおがポカポカしてきた。部屋に荷物を置き，夕日を見に出る。
＜沈む夕日＞
ちょうど日没の時間だったのので近くの丘で見る。すでに１０人ほどが日没を待っている。寒いかったが，雲海に沈んでいく夕日を見送る。
 
＜夕食と部屋＞
夕食はホテルの地下の中華レストラン。５０元で皿に盛り合わせの中華，缶ビールもある。１５元。２本飲んで宿泊料と同じ８０元（約１２００円）十分である。アルバイトらしい給仕の若い女の子が携帯をかまったりおしゃべりばかりしている。日本と同じか・・・
部屋に帰る。上下ベッドが５組くらいある。仲間らしい４〜５人が話している。暖房は無いのでリュックの中の着替え用のズボンや靴下を出し，重ね着する。毛布も２枚ある。けっこう暖かく，これで充分だった。
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