＜●４日：スゲ・ラ峠越え・シガツェへ●＞
６：００起床。今日はこの旅行で一番長い移動をしなければならない。ツエタンからシガツェまで移動するのだ。
本来なら，シガツェまではヤルツァンポ川沿いに道があり，５時間くらいの道のりなのだが，雨で土砂崩れのため通行止めなのである。しかたなく遠回りをして、ヤンパーチェン（山羊井）をまわり、標高５３５０ｍのスゲ・ラ峠を越え１２時間くらいかかるそうだ。
車はまずゴンカル空港へ。ここで次ぎのツアーの関係でガイドが交代するそうである。約１時間ほど待って新しいガイドに代わる。今度のガイドは重慶の少数民族の土家族出身。
車は曲水で橋を渡りヤルツァンポ川から遠ざる。橋の写真を撮ろうとしたらガイドさんに止められた。中国では橋や空港など軍事的に重要な場所は撮影が禁止になのだ。案の定，橋には銃を持った警備兵がいる。ラサの近くを迂回し，羊八井（ヤンパーチェン）の手前の食堂で昼食。
＜急ピッチで工事が進む青蔵鉄道＞
左手に新しい道とも堤防とも思われるものと平行して走る。なんだろうと思ってガイドに聞くと，工事中の鉄道である。なるほど北京オリンピックまでにゴムルドからラサまで鉄道が付く青蔵鉄道とは聞いていたが，なるほどただ今急ピッチで建設中である。
そのうち鉄道とも離れたあと，道は舗装が切れて眺めのよい高原地帯に入る。蒸気が出ているようなところがあり発電所だそうだ。遠くに頭が白くなった山々が顔を出し始める。いよいよ本格的な山の道に入る。
道はしだいに勾配が急になり，悪くなり完全に山道になってきた。高度計がどんどん上がる。今回の旅行には高度計付きの時計，カシオ：プロトレックを持ってきたので何かと便利である。
時々対向車がくるが，すれ違うのも大変で，ガードレールなどなく，ひとつまちがえると山から滑り落ちるというような道をどんどん登る。すれ違うときは「どうぞ，落ちませんように」と祈るしかない。
＜スゲ・ラ峠：５３５０ｍ＞
やっとのことでスゲ・ラ峠（５３５０ｍ）に到着，休憩。峠には色とりどりのタルチョがかかり，チベットらしい。風があり寒い！頭も少し痛く，息も苦しい感じだ。しかし眺めは抜群であり雪をかぶった山がすぐそばに見える。このあたりはニンチェンタングラ山(7162m)脈近くで，第2の高峰チョムカンリ蜂(7048m)があるはずである。
＜周辺地図＞
あいにくどの山か確認はできなかったが，この峠で標高５３００ｍということは，周囲の雪をかぶった少し高い山は６０００ｍから７０００ｍはあるはずである。
＜峠から見た山々＞
１０分ほどで出発，少し下って，もうひとつ峠を越えたあと，しだいに標高は下がっていく。珍しい風景や菜の花畑などもあり休憩する。ヤルツァンポ川と再び出会い，ようやく７時ごろにシガツェ着。実に１２時間車に揺られた。長い移動で相棒は心身疲れたようすだったが，山好きの私には「これぞチベット」という感じで，寝るのもったいないほど楽しかった。
夕食時にドライバーさんにつきあってビールをコップ一杯飲んでみる。ガイドさんにはしかられてしまったが，久しぶりのビールは美味しかった。
＜菜の花畑＞
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